kokoro-otoのブログ

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納棺師の感染症のリスクは?コロナで亡くなった場合の処置は?

こんにちは!

田舎の葬儀屋です。

 

新型コロナの感染拡大が止まりません。

全国で1日に100人もの方が亡くなっている現実。

 

東京都だけではなく、

地方でもコロナウイルスが原因で亡くなる方が増えています。

 

 今回は、葬儀に関する仕事のなかでも

圧倒的にご遺体と接する時間が長い納棺師さんの

感染のリスクについてまとめます。

 

納棺師の感染症のリスクと

対策はどのように行われているのでしょうか?

 

コロナで亡くなった場合、

納棺師は遺体の処置に関わるのでしょうか?

 

第一波の時とは違い、

遺体の処置の方法も明確になってきましたので

今後、葬儀に関する仕事に従事したいと思っている方の

参考になればと思います。

納棺師の感染症のリスクは?

 

 

納棺師の感染のリスクは高いと思ってください。

 

日本の、とくに葬祭関係の職場では

残念ながら、感染症に対する認識が甘かったようです。

 

葬儀関係者は、感染症について

法的に、何の規制もなければ保護もありません。

 

葬儀屋はもちろん、納棺師も

ご遺体に素手で触れることが多かったのが現実です。

 

感染症の知識はあっても

感染症の危険に晒された経験がなかったので

日常の業務に追われて、

感染症対策を怠っていた葬儀社がほとんどのようです。

 

私も、ご遺体に触れる時に

手袋をした経験はありませんでした。

 

日々の業務の中で、怖いという意識は無くなっていた

というのが、正直なところです。

 

それどころか

葬儀社や、納棺専門業者によっては

手袋をしないことが一つの「売り」のになっていた面もあります。

 

納棺の際、手袋をしているのを見ると

遺族が不愉快な思いをするというのが理由です。

 

感染症対策の観点からみると

手袋を使用するのは、ごく当たり前のことなのですが…

 

「汚いものを触るような扱いをされた」と感じる遺族もいるようです。

 

これが原因で、クレームが発生することもあるので

感染症対策の基本である手袋の着用を徹底していない会社も

多く存在するということです。

 

一般的に感染症の怖さが認識されていないので

遺族も「遺体の処置を素手で行う納棺師の姿」に感動するわけです。

 

「生きている時と同じように扱って貰った。」

「綺麗にして貰って、ありがとうございます。」

 

昔ながらの感覚で

ご遺体に素手で触れることを

葬儀屋の美学とする風潮があったことも事実です。

 

もし、自分でも気が付かないうちに

手に小さな傷があったとしたら…

そこから感染しても不思議ではないのです。

 

手袋をすることに違和感を感じる遺族がいるなら

感染のリスクを説明するより

手袋を着用する理由を

用意しておいた方がいいのではないでしょうか?

 

例えば…

 

「煩悩のかたまりである現世の私たちが

故人様に触れることは、失礼ですので…」

 

「手に怪我をしているので…」などはどうでしょう?

 

東日本大震災の際に

国立感染症研究所から提供された情報を参考として挙げておきます。

 

遺体 明日への十日間

 

ご遺体を扱う人のリスク

血液や排泄物に触れることは、わずかですがリスクが生じると記載されています。

B型、C型肝炎やHIV、結核などがその対象です。

 

ご遺体を扱う際の基本的な安全対策措置

  • 水分を通さない手袋の着用(使い捨て)
  • ご遺体を扱った後は石鹸と流水で手を洗う
  • ご遺体を扱っている時に、自分や他の人の顔や口に触れない
  • 使用した機材は洗浄する

 

※マスクは感染防止の意味では必要ない。

 

感染症とワクチンについて専門家の父に聞いてみた (コミックエッセイ)

おそらく、東日本大震災など

大きな災害が発生した際には

ご遺体の扱い方についても

注意喚起が行われていたのだと思いますが

 

災害の影響を受けていない地域では

感染症に対する認識は低かったと思われます。

 

今後は、葬儀社も納棺専門業者も

感染症のリスクについて認識し、対策を徹底すると思いますが…

 

あなたが、納棺師になりたいと思っているなら

感染症のリスクをきちんと理解し

普段から、対策をしっかりと行っている会社を選びましょう!

 

社員を感染症から守るという意識が高い企業は

社員を大事にしているということです。

 

葬儀社にしろ、湯灌、納棺の専門業者にしろ

社員を大事にしている企業なら、まず間違いないと思います。

コロナで亡くなった方の遺体の処置

 

まず、コロナで亡くなった方のご遺体から

感染するリスクですが…

 

国の指針によると

「遺体を納体袋で密封すれば、遺族の搬送も可能」としいています。

 

医師や保健所も

「遺体は呼吸をしない為、飛沫感染のリスクは極めて低い」

としています。

 

ご遺体は二重にした納体袋に納められ、表面を消毒します。

 

ここまでは、ほとんどが医療機関で行われます。

 

その後、棺に納められますが

棺に納めるところまで、医療機関が行うケースと

棺に納めるのは、葬儀社の社員が行うケースがあります。

 

棺に納められたご遺体は、

そのまま火葬場に向かうケースが多いようです。

 

葬儀社が納棺を行う際も、防護服や手袋、マスクの着用など

徹底した感染対策が行われています。

 

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また、霊柩車の運転手への感染リスクを考慮して

運転席と棺を乗せるスペースが分かれている構造の霊柩車を

コロナ専用として使用している葬儀社が多いようです。

 

厚労省は全国の自治体へ

新型コロナウイルス感染症で死亡した人の遺体を引き渡す際には

感染していたことを伝達するように通知しています。

 

コロナで亡くなった場合には

病院側から葬儀社へ死因が告知されますので

感染のリスクは、ほぼないと言っていいと思います。

 

心配なのは、他の死因で亡くなった場合

その方がコロナウイルスに感染していないか…

ということです。

 

病院でのクラスターも

無症状の感染者が原因と言われています。

 

すべてのご遺体にPCR検査を行うことは

不可能なようですし…

 

実際に「肺炎」と診断されたご遺体でも

のちに、PCR検査で陽性と分かったケースもあったようです。

 

コロナは飛沫感染なので

ご遺体からリスクは低いと思われますが

ご遺体に触れる際には、感染の可能性も頭に入れて

必ず手袋を着用するのが大原則です。

 

納棺師や湯灌師が

コロナで亡くなったご遺体の処置を行うことは

まずないと思いますが

 

ここで、私が気になったのが…

ご遺体の腐敗防止処置を行うエンバーマーと呼ばれる職業の方です。

 

エンバーマーは、納棺師の仕事にとても良く似ているので

納棺師を目指す人の中には

どちらの仕事に就くべきか、迷っている方も多いようです。

 

エンバーマーは

遺体の長期保存を可能にする技術「エンバーミング」を行う方のことです。

 

日本では、まだ聞きなれない言葉ですが

ご遺体に防腐、殺菌、修復などを行うことで

50日間も遺体を衛生的に保全することができます。

 

エンバーミングは特殊な機械を使って

体内の血液を、防腐効果のある薬液に入れ替えるのですが

 

この技術を使えば、

コロナで亡くなった方も

最後のお別れが可能になるのでは?

と思ったわけです。

 

しかし、IFSA(日本遺体衛生保全協会)は

新型コロナウイルスで亡くなったご遺体についての対応は

実施不可を推奨していました。

 

現在のところ、エンバーマーが

コロナウイルス感染症の遺体の処置を行うことはないということです。

 

今後、新型コロナウイルス感染症についての研究がもっと進み

解明されれば、対策を行ったうえで

納棺師やエンバーマーもご遺体の処置に携わるようになるかもしれません。

 

大阪市立十三市民病院がつくった 新型コロナウイルス感染症もっと対応BOOK

感染症のリスクについては

これまで、日本の葬儀関係者は認識が甘く

対策を怠っていた現実があります。

 

新型コロナの感染拡大で

全国的に感染症対策の意識が高まったことは

葬儀関連の仕事に携わる方にとっては良かったのではないかと

受け止めています。

 

今後も、新しい感染症が出てくることが

予想されますから

「正しい情報や、正しい知識を吸収して正しく恐れる」

ことが大事だと感じます。

 

今回は、

納棺師の感染症のリスクや

コロナで亡くなったご遺体の処置は

納棺師が行うのか?

についてまとめました。

 

もし、あなたが納棺師になりたいと思っているとしたら

感染のリスクを知ったうえで

十分に対策を行い、業務に当たられることを望みます。

 

やりがいのある、素晴らしい仕事ですよ!

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

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