kokoro-otoのブログ

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葬儀屋のやりがいとは?葬儀の仕事の理想と現実!

こんにちは!

田舎の葬儀屋です。

 

葬儀屋の仕事は大変だけど、やりがいがある!

と言われていますが…

 

実際はどうなのでしょうか?

 

何が葬儀屋のやりがいに繋がっているのか?

葬儀屋の魅力って何?

 

実際に、葬儀の現場で働いている

葬祭ディレクターは、なぜ葬儀屋になったのか?

 

葬儀屋になったきっかけ

葬儀の仕事の理想と現実についてもまとめました。

葬儀屋の仕事のやりがいとは?

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葬儀屋という仕事にはやりがいがある。

と言われても…

何が魅力なのか?

何がやりがいなのか…?

 

ピンとこない方も多いのではないでしょうか?

 

私が感じる葬儀屋のやりがいは、大きく3つあります。

  • 遺族からの言葉
  • 仕事に対する誇り
  • 自分自身の成長

もちろん、この3つについては

他のどんな業種であっても、感じることが出来ると思います。

 

私は、他の仕事をしていたときより

葬儀の仕事を初めてからの方が、より深く感じるようになったので

具体的にお伝えしたいと思います。

遺族の言葉

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もう、これに尽きると言っていいほど

遺族からの感謝の言葉は、胸に刺さります。

 

ちょっと、考えてみて欲しいのですが…

 

実際、もし今、あなたの身内に突然不幸な出来事が起こったとします。

あなたは、何をしたらいいか分かりますか?

 

まずは、亡くなった人のもとに駆け付けるでしょう。

そのあとは?

 

きっと、突然のことで気が動転し

何をしたらいいのか…

頭の中は真っ白。

 

哀しみにくれ

何も考えられない状況かもしれません。

 

そして、まず行わないといけないのが

ご遺体の搬送です。

 

病院、もしくは警察にご遺体をずっと安置しておくことは不可能で

出来るだけ速やかに、移動しなくてはいけません。

 

そこで、電話するのが

ほとんどの場合、葬儀社になります。

 

頭が真っ白で、何も考えられない状況の中

頼れるのは葬儀屋さん。

 

葬儀屋さんから、今後やるべきことを聞き

準備を行います。

 

 

悲しくて、不安な時に

一緒に悲しんでくれたり、考えてくれた葬儀屋さんに

あなたなら、どんな感情を持ちますか?

 

人は辛い状況の時に、寄り添ってくれた人のことを

ずっと忘れません。

 

「ありがとう」の深さが違うのです。

 

私は、葬儀の前にブライダルに携わる仕事についていたので

その「ありがとう」の重みに愕然としました。

 

楽しい時や、嬉しい出来事の「ありがとう」って軽い…

すぐに、忘れられる。

 

その反面、葬儀の仕事をしていると

受け持ったご遺族の方がいつまでも覚えていてくださいます。

 

違う葬儀に参列した時に、声をかけて下さったり

ずっと、頼りにして

何かあるごとに連絡を下さったり。

 

「あなたで良かった」

「親身になって相談にのってくださってありがとう」

 

手をギュッと握って下さったりすると

嬉しくて、思わず涙が。。

なんてことも…

 

お手紙が届くこともあります。

 

お祖父ちゃんの時に担当してくださった、あの方に…と

指名を頂くことなど、葬儀の現場ではよくあること。

 

同じ家の葬儀を何度も担当して

まるで友達のような関係になることも。

 

苦労が報われた瞬間の、あの嬉しさといったら

何物にも代えられない喜びです。

 

これこそが、葬儀屋のやりがいだと実感しています。

 

仕事に対する誇り

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私が葬儀の仕事を始めたころは

まだ偏見が強く、閉塞感みたいなものを感じていました。

 

でも、そのことがかえって

私のプライドに火をつけたように感じます。

 

知らない言葉や、宗教、習慣など

分からないことだらけだったので

本を読み、メモを取り、先輩やお寺の住職に教えて貰い

一生懸命、勉強しました。

 

葬儀の世界は、思っていたよりもずっと奥が深く

勉強すればするほど、面白くなっていきました。

 

 

私の場合、師匠と思える上司の存在が大きかったと思うのですが

その上司が…

 

葬儀は何のためにするのか

葬儀は誰の為に行うのか

 

葬儀のイロハと言えることを

例えばなしをしながら

おもしろ可笑しく、教えてくれたんです。

 

この上司のおかげで

葬儀という仕事に対する誇りが芽生えたと言っても

過言ではありません。

 

目の前の悲しんでいる人にそっと寄り添って、

その悲しみを分かち合える仕事。

 

故人様の人生の締めくくり

その方らしく送り出してあげる喜び。

 

本当に誇りを持てる仕事だと思っています。

 

もし、あなたが葬儀の仕事に就きたいと思っているなら…

 

尊敬できる先輩や上司がいるか、いないかで

あなたの葬儀に対する想いや、姿勢が違ってきます。

 

ぜひ、葬儀について真剣に話ができる

尊敬する先輩を見つけてください。

自分自身の成長

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葬儀の仕事をしていると

毎日、人の哀しみに直面します。

 

亡くなる順番なんて決まってないし

いつ誰が亡くなるか、予想なんて出来ません。

 

突然死の赤ちゃんから

自死で亡くなる学生さん

闘病生活の末、まだ幼い子供を残して旅立つお母さん。

 

老衰で亡くなる方の方が少ないんです。

 

そんな現実に直面して

葬儀屋が常に感じていることは

「自分もいつ死ぬか分からない」ということです。

 

今日、今は元気でも

「仕事が終わって帰宅途中、事故にあって死ぬかもしれない」

 

実際に、あなたがこんな感覚に襲われるのは

どんな時でしょう?

 

テレビのニュースを見た時ですか?

同級生が事故で亡くなり、葬儀に参列した時でしょうか?

 

そして、その時は自分じゃなくて良かった…

気を付けよう…と思っても

翌日には忘れてしまう。

 

今、自分が生きているのは、当たり前。

だと、思っていませんか?

 

それが、普通なのかもしれません。

人は流されやすく、忘れやすい生き物です。

 

もちろん、生と死に直面する仕事は

葬儀屋だけではありません。

 

医療の現場では、もっと実感するはずです。

 

こうして、毎日、生と死に直面していると

今、自分が生きていて、仕事を出来ているということが

どれほど貴重なことなのか…

 

毎日、思い知ることになります。

 

そして、思うのです。

いつ死ぬか分からないから…

 

後悔しないように生きよう!

 

やりたいことを先延ばしにせず

今、自分に出来ることを精一杯やろう。

 

だからって、

何でもかんでも100%の力で出来るわけではないけれど…

 

他の人は、

真剣に死について考えるのが、1年に2、3回だったとして

葬儀屋は毎日考えざるを得ない状況だということです。

 

まぁ、なかには…

そういう状況でも、何も考えず

不平不満ばかりこぼして

全く成長しない人もいますけどね~(笑)

 

葬儀屋になったきっかけ

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最近は、映画「おくりびと」の影響で

葬儀業界に関心を持ってくれる人が増えたようですが

以前は、敬遠されがちな職業でした。

 

大学を卒業して、葬儀の仕事をするなんて

考えられなかったのが正直なところです。

 

現在、私の周辺のいる葬儀社の社員は

いったいなぜ、この仕事についたのか?

 

ちょっと調べてみました。

 

葬儀社に就職した経緯やきっかけで多かったのが

以下の3つです。

 

  • 知り合いの紹介
  • コネ
  • 配属・移動

知り合いの紹介

葬儀業界は、どうしても敬遠されがちな仕事なので

年中人手不足に悩まされています。

 

当然、中途採用も多い。

 

この業界で働いている人からの紹介。

 

また、葬儀に関連する別の職場

例えば、贈答品関係、飲食店、花屋、寝具など

それまで勤めていた職場が閉店したり

リストラで職が無くなった人が

葬儀社に誘われて、採用されるケースもあります。

 

なかには、仕事がなくて

渋々、この業界に入った人も多いですよ。

 

前の職場で、何か問題さえ起こしていなければ

比較的、採用されやすい職場だと言えます。

コネ

葬儀社でコネは有効です。

 

例えば…

互助会組織の葬儀社でも

お偉いさんと父親が仲良しだったので

息子が途中入社できたケースも実際にありました。

 

先に親が葬儀屋で働いていて

その後、子供が採用されたケースなんてざらにあります。

 

お寺の住職からの紹介なんていうことも!

 

親戚や身内が葬儀社を経営していれば

その繋がりで、就職し

まずは数年間、別の葬儀社で経験を積み

葬儀社の跡継ぎになる人もいます。

配属・移動

一番多いのが、このケースです。

 

互助会組織の葬儀社は

他にいくつもの部署を持っています。

 

ブライダルの仕事をしたくて、入社したのに

配属が葬儀部門だった…とか

 

始めは、ブライダルや営業、ホテル事業に配属されたものの

その後、葬儀の部署に移動になった人は多いです。

 

これは、あくまでも互助会組織に入社した場合に限定されますが…

 

最初から、葬儀の仕事に就きたいと思って

葬儀屋になった人ばかりではないということです。

 

私が見てきたなかでは

嫌々、葬儀屋になった人の方が多いのでは?

という印象です。

葬儀の仕事の理想と現実!

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葬儀の仕事はやりがいもありますが

理想と現実のギャップに悩む人も多いと思います。

 

憧れだけで入社してしまうと

現実の厳しさに直面し、すぐに辞めたくなってしまう可能性も…

 

どんな仕事も同じですが

理想だけでなく、現実も理解しておいてください。

 

あなたが、葬儀屋になった時にぶつかる現実とは?

  • 会社の方針
  • 聖職者との関係
  • 遺族の事情

 会社の方針

あなたが、会社という組織に属している以上

どうしても超えられないのが会社の方針です。

 

会社にとっては、一番困るのが

遺族からのクレーム。

 

時々、こんなクレームが発生します。

 

以前の担当者はここまでしてくれたのに

今回の担当者はしてくれない…

 

普通は、ここまでが担当者の仕事なのに

遺族の為にと思って、それ以上のことを手伝ってしまうと…

 

遺族はそれが普通だと思ってしまいます。

そして、その普通を他の担当者にも求めてしまうんです。

 

反対に

やるべきことは、きちんとやったはずでも…

してくれなかった!

以前の担当者はこうだった!

と言われてしまうことだってあるということです。

 

遺族の為にしてあげたいと思っても

それが正解なのか…

分からなくなることもあるんですよ。

 

加えて「ご遺族のために…」

と大きな声で宣伝していても、

実際には、お客様やご遺族のことを

一番に考えている企業は少ないと思ってください。

 

小さな家族葬では出来ないことでも

 

大きなお金が動く

大型葬の場合には、至れり尽くせりなんでもあり!

なんて会社も多いですね…

 

正直…

以前、私がいた互助会組織の葬儀社には

幻滅しています。

 

お客様のためではなく

会社や従業員を守るために、経費を削減し

さまざまなオプションで葬儀費用を吊り上げようとしているからです。

 

大手になればなるほど

この傾向は強くなると覚えておいてください。

 

互助会が潰れると、お客様に迷惑がかかる。

従業員も守れない。

 

会社の方針と自分の理想。

 

この矛盾を自分のなかで、どう消化するのか…

ご遺族に、どこまで寄り添うのか…

 

葬儀の仕事が好きでたまらない人が

陥りがちな現実です。

聖職者との関係

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聖職者というのは

僧侶、宮司さん、神父様、牧師さまなど

葬儀の司式を行う宗教者全般のことです。

 

お葬式には欠かせない存在で

お式の流れをはじめ、日程を決める際にも

聖職者の要望が重視されます。

 

田舎ではとくに

遺族の都合や予定より

お寺の都合ありきで準備が進んでいきます。

 

式次第も同じ。

ご住職に毎回、式の流れを確認し

その通りに進めるのですが…

 

なかには…

故人さまの遺志はどこにいった?

遺族の気持ちは?

 

亡くなった方のお葬式ではなく

あなたのお葬式なのですか?

 

と、聞きたくなる式もあります。

 

こうしなさい!

あれはダメ、これはダメ。

 

もっと、故人やご遺族の気持ちを考えて貰えないかと

言いたい時もあるのですが…

 

それを言ってしまうと

ご住職の機嫌を損ねてしまいます。

 

葬儀社としては

黙って、はいはいと指示に従わざるを得ません。

 

こういうご住職の態度に

遺族が不満を持ち…

 

もし、何か言われたら檀家を辞めますから

気にしなくていいですよ!

と怒っていらしたこともあるくらいです。

 

勿論、故人様やご遺族の気持ちを一番に尊重してくださる

良い和尚さんも沢山いらっしゃいますよ~!

 

ただ、葬儀屋としては

遺族のためにやってあげたいと思っても

僧侶からの指示で出来ないことも沢山あるんです。

遺族の事情

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葬儀屋としては

遺族が望むことなら、なんでもやってあげたいのが本音なんですが…

 

ここ数年、

葬儀に掛かる費用を少しでも抑えるために

ネットで葬儀社を比較する方が増えています。

 

ネットで葬儀の依頼を受けた仲介業者が

提携している葬儀社に丸投げするわけです。

 

仲介業者は格安で葬儀が出来ることを謳い文句にしていて

消費者にとっては良いことのように感じますが

実際に、葬儀を請け負う葬儀社にとっては

 

あらかじめ、ここからここまでと決められているので

それ以外のことを求められても出来ない。

 

だいたい。。

1日葬って何?っていう話しです。

 

とくに、田舎では

通夜はいらないから、葬儀だけお経をあげてくれなんて。。

 

対応してくれるお寺は、ほとんどありません。

 

こういう無理難題を押し付けられるわけです。

 

通夜は家族だけで行い

控室の料金は費用に組み込まれていないから

式場に棺を置いたまま。

 

遺族は泊ることも出来ない。

 

なんだか、寂しいなぁ…

故人さまが独りぼっちで可哀そうだと思っても

それ以上のことは出来ないのが現実なのです。

 

そうでなくても…

葬儀の費用や、

お寺へのお布施が工面できないからと

お寺は呼ばず、無宗教や直葬で…

という遺族も多いのが現状。

 

お金の問題は、どうしようもありません。

 

また、こちらはご遺族のためにと思っていても

なかなか心を開いて下さらないご遺族もいます。

 

気持ちが伝わらないと感じたり

何度説明しても、聞いていなかったり…

 

一度不信感を持つと

何から何まで目につくことってありますよね…

 

葬儀では、この不信感が

クレームに繋がってしまいます。

これが、葬儀の怖いところ。

 

 

何事もなく、葬儀が終了しても

これで良かったのか…

 

もっと、出来ることはなかったのか

自問自答の繰り返しです。

 

なんだか、愚痴みたいに書き連ねてしまいましたが

憧れと、やりがいだけでは続かない仕事だということは

理解して頂けたでしょうか?

 

こんなことを言うと

変な人だなぁ~という目で見られるのですが

私は葬儀屋という仕事が大好きです。

 

この仕事に誇りを持っています。

 

でも、こんな私も実は

葬儀屋になりたいと思って

この業界に入ったわけではなく

 

なんとなく、流れで…

中に入ってみたら、面白いと感じて

やりがいがありすぎて

抜けられなくなってしまったんです。

 

おそらく、こういう人多いと思います。

 

自分は気がついていなかったけれど

そういう宿命だったのかもしれませんね~

 

田舎の葬儀屋の独り言ですが

あなたのお役に立てれば、こんなに嬉しいことはありません。

 

最後まで読んで頂き

ありがとうございました。