kokoro-otoのブログ

葬儀屋の仕事の内容や収入、求人や採用、求められる人材や副業、転職などの情報を発信しています。

葬儀屋の仕事は危険?コロナウイルス感染症のリスクや対策は?

こんにちは!

田舎の葬儀屋です。

 

新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。

 

田舎でも、医療体制が逼迫し

感染の危険が迫っているのを感じています。

 

今回は、コロナウイルスが原因で亡くなった場合

葬儀屋の対応について考えてみました。

 

志村けんさんや、岡江久美子さんが

コロナウイルス感染症で亡くなったことで、

ご遺体の火葬については

多くのメディアで取り上げられていましたので

ご存じの方も多いと思います。

 

感染症で亡くなった場合も

葬儀屋は、ご遺族からの依頼を受けて

病院までお迎えにいき、火葬を行いますので

当然、感染のリスクが伴います。

 

葬儀屋の仕事は危険なのか?

コロナウイルスをはじめ、他の感染症のリスクは?

対策はどのように行っているのか?

葬儀社の感染症対策について、まとめました。

 

 

葬儀屋の仕事は危険?

f:id:kokoro-oto:20210113000350j:plain

通常、葬儀の依頼は電話で受けることが多いのですが

その際、とくに死因まで伺うことはありません。

 

正直、ご遺体の搬送の時も

死因についてあまり気にしていなかった…

というのが本音です。

 

おそらく、普段から感染症対策を徹底している葬儀社は

少ないでしょう。

 

その理由として考えられるのは

  1. 病院との信頼関係
  2. 手袋をしてご遺体に触れることの罪悪感
  3. パンデミックの経験がない

病院との信頼関係

葬儀の依頼を受け、ご遺体のお迎えに病院に行った際

感染症などの危険性がある場合には

「病院側が教えてくれる」という暗黙の了解があります。

 

とくに、何も指示がない場合は大丈夫という感覚です。

 

諸外国と比較して

日本は感染症や伝染病で亡くなるケースが少なく

意識が低かったと言えます。

手袋をしてご遺体に触れることの罪悪感

命が尽きたとはいえ、

ついさっきまで息をしていたのですから

私たち葬儀屋は

出来る限り、生きていた時と同じように対応し

故人さまの尊厳を保ちたいと考えています。

 

手袋をしてご遺体に触れるのは

ご遺族に対して、失礼なのではないか?

 

故人様の尊厳を傷つけてしまうのではないか?

という感覚に襲われます。

 

死に対する慣れもあるでしょう。

 

始めは怖いと感じていた感染症も

だんだんと怖さが薄れていきます。

 

私も、ご遺体に触れるときに

手袋の着用は全くしていませんでした。

パンデミックの経験がない

感染症専門の医師や、病床が少ないことでも分かるように

日本は長い間、感染の恐怖に晒されることがなかったので

葬儀社も社員も対策を怠っていたというのが事実だと思います。

 

私が葬儀屋になって、もう30年がたちますが

今回のコロナウイルスのような感染症は初めての経験です。

 

 

これまで、葬儀社の社員が

ご遺体から感染した話しなども聞いたことがありませんでした。

 

今回、コロナウイルス感染症がパンデミックになったことで

今後、葬儀業界全体の意識は変わってくると思いますが

葬儀屋という職業が、危険な仕事であることは間違いありません。

 

もし、あなたが葬儀業界に興味を持っているのなら

その危険性について、深く考え、正しく恐れ、

各葬儀社が、どのような対策を行っているのか

確かめる必要があると思います。

 

感染対策を徹底して行っている葬儀社は

社員を大事にしている会社だと思いますし

故人様の尊厳に対する意識も高いのではないでしょうか?

コロナウイルス感染症のリスク

f:id:kokoro-oto:20210113000827j:plain

新型コロナウイルスについては

第一波の時と比較すると、かなり多くのことが解明されてきました。

 

コロナウイルス感染症の一番のリスクは飛沫感染です。

 

飛沫感染は、咳や会話などが原因となります。

 

コロナウイルスが死因であったとしても

亡くなった方は、大きな声で話すこともなければ

咳もしません。

 

ご遺体からの感染はないに等しいと考えられます。

 

しかし、体内のウイルスまで死滅したわけではないので

感染のリスクを最小限に抑えるために

ほとんどが、24時間を待たず火葬されています。

 

実際に、火葬の依頼を受けた場合の

葬儀社の対策と火葬・葬儀までの流れを次にまとめました。

コロナウイルス感染症の対策

各自治体や、葬儀社によって違いがあるので

今回は、私が以前勤務していた互助会組織の葬儀社を例にあげてみます。

 

私の住む地域では、コロナウイルスが死因の場合

葬儀を断っている葬儀社が大半のようです。

 

これにも、やはりいくつかの原因があります。

  1. 経験値がない
  2. 防護服など感染対策の準備が整っていない
  3. 従業員が少ない
  4. 風評被害

経験値がない

経験値がないと、万が一の場合

社員が感染してしまうリスクがあるので

依頼があっても断るというケースが多いようです。

防護服など感染対策の準備が整っていない

未だに、医療機関でさえ

防護服やマスクなど

感染症対策が十分に出来ない病院もあるようなので

葬儀社が準備できなくても不思議ではありません。

 

防護服は準備できても

正しい着脱方法を知らないと、感染のリスクが高くなります。

 

準備が整っていない葬儀社が

依頼を断るのは、正しい判断だと感じます。

従業員が少ない

小さな葬儀社は

最小限の人数で葬儀を行っています。

 

従業員の中に、ひとりでも感染者が出てしまうと

葬儀社全体が機能しなくなる可能性もあるのです。

 

そのリスクを負ってまで

依頼を引き受ける葬儀社は少ないのではないでしょうか…

風評被害

風評被害は、田舎の小さな葬儀社にとって死活問題です。

 

これまでも、葬儀の参列者から感染者が出ないようにと

細心の注意を払って、葬儀を行ってきたのに

コロナで亡くなった方の葬儀を請け負ったとなれば

葬儀の依頼件数は、間違いなく減るでしょう。

 

多くの葬儀社が

コロナで亡くなった方の葬儀を断っている一番の理由が

この風評被害だと思います。

 

これらが原因で、多くの葬儀社が

コロナで亡くなった方の葬儀を断っているので

ほぼ、一つの葬儀社に依頼が集中しているようです。

この葬儀社が行っている感染対策

f:id:kokoro-oto:20210113001203j:plain

まずは、葬儀を依頼してきた遺族が

濃厚接触者なのか?

濃厚接触者に当たらないのか?

電話で聞き取りを行います。

 

濃厚接触者、または感染の恐れがある場合

基本的に打ち合わせや、説明も全て電話で行います。

 

打ち合わせや、病院へのご遺体のお迎え

火葬場の付き添いなど一切を責任者が行う。

 

病院へは防護服を着用のうえ

ご遺体を収める納体袋を持参し、

病院のスタッフ、もしくは葬儀社の責任者が

納体袋に納め、外側を消毒し、棺に納め、目張りを行う。

 

火葬が出来るのは

一般の火葬が終了した時間外。

 

一般の方とは、別の入り口から入り火葬を行う。

 

火葬にはご遺族が立ち会うことは出来ないそうです。

 

火葬、収骨が終了したら

お骨を預かり、帰社。

 

遺族が濃厚接触者の場合は、

お骨をしばらく会社にてお預かり。

お骨の引き渡しは、ご遺族の感染状況や体調をみながら相談。

 

ご遺族が濃厚接触者でない場合は

火葬後に葬儀を執り行うことが多いようです。

 

責任者が基本的に一人で担当するのは

感染のリスクを抑えることと、

個人情報の保護の為と思われます。

 

感染のリスクを最小限に抑えながら

ご遺族の希望があれば、

故人様のお顔だけでも見せてあげたいと

出来る限りの対応を行っているようです。

 

以上が、コロナウイルスの感染対策を行いながらの

火葬・葬儀の流れです。

 

おそらく、地方でも都心部でも

同じように、葬儀を断っている葬儀社は多いのではないかと思います。

 

感染症のリスクで言えば、

葬儀は確かに危険なことが多い職場です。

 

医療現場ほどの知識もありませんし

これまでは、感染症対策も十分ではありませんでした。

 

しかし、今回、新型コロナウイルスのパンデミックを経験したことにより

葬儀社も社員も多くの知識を得て

感染症対策への意識が高まっています。

 

新型コロナウイルスは

ご遺体から感染することはないと思われますが

葬儀社は保健所や行政と話し合い、相談を重ね

充分な対策を行いなっています。

 

もし、あなたが葬儀の仕事に興味をもっているなら

こういう厳しい状況のなかで、

それぞれの葬儀社がどんな対応を行っているのか…

 

葬儀社の本質をみる、いいチャンスではないかと思いますよ!

 

最後まで、ご覧頂きありがとうございました。

にほんブログ村 その他生活ブログ 冠婚葬祭へ
にほんブログ村